今年は猿年、と謂うと「見猿・言わ猿・聞か猿」と出て来るがこの「諺」はもう時代錯誤ですよ!
戦乱のない日本をと天下統一を目指した「織田信長」が本能寺の変で「明智光秀」に討たれ、「豊臣秀吉」が一時後継者とはなったが、関ヶ原の合戦を経て最終的には「徳川家康」が天下を統一し、戦国の世を終焉させ太平の世を創造した。
とは言え天下を平穏に治めるには「金」がいる、現代でいう「税金」である。この時代ではその「金」が「米」であった。そして「米」は農民が作り徳川家に収める仕組みが造られた。
農民が「米」を収めることで天下泰平が維持されるといった世が創られた訳であるが、その農民が平穏に「米」を作り続け徳川家に敵意を抱かないようにとして「士・農・工・商・エタ・非人」といった階層制度を制定し、尚且つ「百姓は生かさぬように、殺さぬように」或いは「見ざる・言わざる・聞かざる」などと、天下を統治している徳川家に反旗を翻さないような統治機構・諺・慣わしなどを様々と駆使してきた。
かの日光東照宮にある
「🙈・🙊・🙉(見ざる・言わざる・聞かざる)」
がまさにそれでした、お上の不正・不都合には係わらないように、「長いものには巻かれろ」と躾けられてきました。そして明治維新新政府もこの慣わしを上手く活用し政治の安定化に利用してきたきらいが有りました。
ですが、世は既に世界を相手に動いている世情です!地球儀的世界観で物事を、それも瞬時の判断が必要な時代に突入しています。
「何でもかんでもよ~く、よく見よう!」
「兎に角、思っていることはとことん言おう!」
「何でも聞こう、聞きまくろう!」
と「見ざる・言わざる・聞かざる」の真逆を駆使しないと「地球儀・世界の流れ」についていけない時代です。
日本の古き良き伝統・文化・風習は生かすところは生かし、世界との交流のなかでうまく使い分けをし、相手・相手国・相手人種・相手宗教etcを見極め、我が日本国の存在を世界に見せつけられる一人ひとりであって欲しいものと考える。
瀬戸内 開